指輪 7-4
「ご心配おかけしまして…」
話の途中だったが、そんな事はどうでもよかった。
「美希!」
「きゃぁ…!」
思わず跳ね起きて、抱きついた。
いきなりで驚く美希に構わず、呟いた。
「よかった…治って本当によかった」
「あ、あの…」
戸惑った声で美希が身体の動きを止めている。
「本来は感動のシーンなんだろうけど、これは端から見たらかなり情けないと思うよ」
「え?」
そう言われて、やけに背中が涼しい事に気がついた。
いや、背中だけではなく、尻も含め後ろ側全体が…。
自分の部屋とはいえ軽犯罪法違反のオンパレードに、離れた方がいいのか離れないで見えなくしている方がいいのか、非常に身動きが取りにくい。
「え…と、目をつぶっているので、よくなったら言って」
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